目次

  1. 経営に影響を与えた社会情勢 「原材料の高騰」も
  2. 中小企業のDX、製造や生産管理が中心
  3. 経済安全保障への対応の現状と課題

 経産省が公表している2025年版ものづくり白書によると、事業に影響を及ぼす社会情勢の変化に関する調査の結果について、2023年度と2024年度を比較すると、2024年度も引き続き「原材料価格(資源価格)の高騰」、「エネルギー価格の高騰」に加え「労働力不足」を挙げる事業者が多かったといいます。

製造業の足元の状況(企業動向)
製造業の足元の状況(企業動向)

 2024年度に割合が上昇した項目は、「賃上げ要請」、「物流コストの上昇・キャパシティの不足」、「労働力不足」などがありました。また、2024年度の調査では、「為替変動」に加え「金利変動」を選択項目に追加したところ、これらを挙げる事業者も約2割に上りました。

 ものづくり産業におけるDXは、生産性向上や競争力強化のために不可欠ですが、中小企業においてはその取り組み状況に特徴が見られます。

 デジタル技術を活用した業務改善は、「製造」、「生産管理」、「事務処理」、「受注・発注・在庫の管理」といった比較的現場に近い、あるいは定型的な工程で実施率が高い傾向があります。

製造業の競争力強化に向けたDX
製造業の競争力強化に向けたDX

 一方、「企画・開発・設計」や「品質管理」といった創造性や専門性の高い工程での実施率はやや低めです。従業員数が多い企業ほど、様々な工程でデジタル技術の活用が進んでいます。

ものづくり企業におけるDXの取組状況
ものづくり企業におけるDXの取組状況

 DX推進における主導者を見ると、従業員数が少ない企業では「経営者・役員」が先導するケースが多くなっています。一方、従業員数301人以上の企業では、「デジタル技術に精通した社員」が先導する割合が高くなっており、導入のきっかけも「グループ企業・取引先からの要請」、「ベンダー等からの推奨」など様々だといいます。

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