目次

  1. 22歳から80歳までの技術者が活躍
  2. 自由な環境が仇となり社内がギスギスしていた
  3. 6人退職したのをきっかけに若手を積極採用
  4. 採用は一本釣りでいい ものづくりの楽しさを前面に
  5. いつまでも現役で仕事ができるのが喜び
  6. ベテランのアナログ技術を最新工作機に伝える

 金久保製作所には、22歳から80歳までの技術者が働いています。中ロットの部品を製造する仕事が多いため、中規模の工作機械を多く取り揃え、それぞれのマシンに担当者を充てています。

 そのため2つある工場にはNC旋盤11台、マシニングセンタ16台が所狭しと置かれていて、これらの機械は主に若手や中堅が担当しています。

NC旋盤やマシニングセンタといった工作機械がずらりと並ぶ工場内
NC旋盤やマシニングセンタといった工作機械がずらりと並ぶ工場内

 一方、汎用機と呼ばれるアナログの工作機械も複数置かれています。NC旋盤などでの加工が思うようにできなかった、加工の際に誤って傷をつけてしまったので直したい、小ロットのため汎用機で加工した方が早い……。このような業務を、60歳以上のベテランが担当しています。

自動工作機と同じようにすらりと並ぶ汎用工作機
自動工作機と同じようにすらりと並ぶ汎用工作機

 つまり、若手が新しい工作機械を使って行っている加工や作業のサポートを、ベテランがこれまで培ってきた技術で担っているわけです。その他、NC旋盤で使う治具なども、ベテラン技術者が汎用機で製作しています。

 ベテラン技術者には、仕事がないときもあります。ベテラン技術者の一人でもある2代目の武野谷富之会長は「そんなときは遊んでいます」と笑いながら話します。

2代目の武野谷富之会長。“遊び”で作ったというロボット
2代目の武野谷富之会長。“遊び”で作ったというロボット

 会長の話す遊びとは、自由気ままにものづくりを行うとの意味で、実際、玩具のようなオブジェクのようなユニークなものや、端材を組み合わせたロボットなどを製作。友だちから頼まれたバイクの部品を加工したり、畑仕事で必要なポンプの部品を手作りで直したりしているメンバーもいます。

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